二階堂塾 塾長あいさつ

日本漢方鍼汪会 会長
古医書はり講座二階堂塾 塾長
二階堂親義

 東洋医学といわれるものはたくさんあります。はり治療や灸、マッサージから漢方薬に至るまで様々で、実は決まったものを指していないのが現状です。その中で、二階堂塾では「中国古典医学書医学」に基づいた「はり治療」を原則とします。「素問」「霊枢」「難経」を中心とした「古医書」から成る「本治法」。これに順じた治療法や養生法を学びます。古典から知る学問は、いわゆる「ツボ治療」や「経穴治療」ではありません。「ここに、はりを刺したら治る」という単純なマニュアルが記載されているのではなく、季節(二十四節気)と自然の中から身体に合わせた取穴を用い、日々刻々と変わっていく身体に対処するものです。

 古医書にて自然を分類すると、宇宙万物では天体を大宇宙、身体を小宇宙と定義。そこで身体に表れる様々な現象を固定的に(決め付けて)見るのではなく、いかに身体が天体、自然に関わり合って変化していくかを考えていきます。身体生命の根源は、この天体、自然(天地)にあるという思想、天と地が密接に絡んでいるという思想が付随。例えば、人間は生きていくために食物も水も空気、全て自然に頼っています。食物とする肉、魚、野菜、果物、水などは全て、天と地の産物です。この相互関係を具体的に表したものが生きていくということに繋がっていきます。素問では「天は人を食うに五気を以ってし、地は人を食うに五味を以ってす」と言っています。つまり、自然と身体との連絡は呼吸の気(五気)と飲食の気(五味)によって、その働きをしめしているのです。人の精神活動もこれによって養育されていることがわかります。五気や五味等の「気」は、自然において、人の生命活動と自然環境は親密に関係しているということです。このような点において、古医書の考えをそのまま克服すべく、二階堂塾では一般的な東洋医学とは分けて考えて勉強します。本来の治療の原典を学びたい方にはお勧めです。入塾を希望される方はどなたでも歓迎いたします。

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