鍼灸師にとって一番大切なものは何でしょう?
ツボではないでしょうか?
教科書に載っているツボの位置で良いと思いますか?
古典にはツボはどのように書いてあるのか
私が先人から聞いたこともふくめて
思うところを書きました
難経に書いてある取穴の方法
素問、霊枢、難経でツボの取り方を明確に書いてあるところは
難経78難だけだと思います
難経78難に
『脉動ずるところに取れ』とあります
初学者の方には
具体的にどういう感じですか?
という疑問がわくと思います
お答えしてもよいのですが
おそらく私の感じ方とみなさんの感じ方は違うと思います
ですから古典には
「如動脉之状」
脈が動いているようなところ
とあるだけなのです
他人から感じかたを聞いて
同じところを探すと
習得が遠回りになるのではないかと思います
ツボは五感をフル稼働して取る
ツボを的確に捉えるためには五感を鍛えるのが良いと思います
五感というのは
- 視覚
- 触覚
- 嗅覚
- 聴覚
- 味覚
ですね
これらを一度に使う
つまり何も考えないで、感覚を総動員して
ツボを探すとよいでしょう
ツボが取れない方は、感覚でなく
考えて取穴しようとしています
考えることは脾臓か肝臓です
五感をフル稼働するのは
五臓をいっぺんに使っています
脾臓は思慮です
思慮を使いすぎると迷いに変わります
肝臓は謀慮です
謀慮とは作戦をねること
作戦をねって自分の考えでツボを取ろうとすると
患者さんの状態がわかるはずありません
コツは、押しすぎないことです
知りたい知りたいという気持ちが多すぎて
皆さん押しすぎです
できるだけそーっと触れて探してみてください
経穴を外しても経絡をはずすことなかれ
最初のうちは誰でも活きているツボを外してしまいます
外したとしても経絡を外さなければ
良い治療ができます
経絡は縦に流れていますから
縦のラインを外さないように探しましょう
ツボに当たったかどうかですが
最初は結果論です
治療結果が良ければツボに当たったのです
治療結果ですが
- 皮膚にツヤが出る→肺臓
- 皮膚が温暖になる→心臓
- 筋肉に弾力が出る→脾臓
- 筋腱が柔らかい→肝臓
などを参考にしてみてください
こうなったら治療が上手くいった
という基準を正確に習得する事が、上達の秘訣です
徳田漢方はり院 徳田和則