女性で鉄が十分足りている方は少ないです
貧血になるとさまざまな症状が出ます
- 爪が割れやすい
- アザができやすい
- 歯ぐきから出血しやすい
- 手足の冷え
- めまい、立ちくらみ、頭痛
- のどがつまったような感じがする
などなどは、かくれ貧血かもしれません
健康診断で大丈夫でも
女性は毎月の月経で鉄をたくさん消耗します
かくれ貧血になっている方も多いようです
鉄について勉強してみませんか?
この記事では
鉄のいろいろな働きをまとめています
鉄の働き、大きくわけて4つ
鉄の働きは
- 赤血球をつくり、酸素を運搬す
- 筋肉に酸素を貯蔵する
- エネルギーを生産するとき、助ける
- 神経伝達物質をつくる
これら4つのはたらきを
少し詳しくみてみましょう
赤血球をつくり、酸素を運搬す
カラダに必要なものを運ぶのは
血液のはたらきです
特に酸素を運ぶのは赤血球の役割です
赤血球を作るのか「鉄」です
酸素を運ぶヘモグロビンという物質は鉄から作られます
鉄が足りないと正常な赤血球が上手く作られなくなります
筋肉に酸素を貯蔵する
クジラやイルカは人間と同じ哺乳類です
人間とは違って、水中に長時間もぐっていることができます
「ミオグロビ ン」という酸素を溜め込むことができる物質のおかげです
ミオグロビンは筋肉内に大量にあります
このミオグロビ ンのもとが鉄です
ヘモグロビンよりもさらに酸素と結びつきや すく
血中のヘモグロビンから酸素を受け取って
筋肉の中に酸素を貯蔵することができるのです
エネルギーを生産する
人のエネルギーを作るのは
ミトコンドリアという物質です
エネルギーを作る過程では
「電子伝達系」といって
金属イオンによる電子の受け渡しが必要です
この電子伝達系において
鉄が必要とされるのです
言い換えると、鉄が不足していると
エネルギー生産に支障をきたしてしまう
ということです
神経伝達物質をつくる
脳内の神経伝達物質である
セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどは
作るときに鉄が必要になります
鉄が不足するとイライラしたり
鬱やパニック症状を起こしたりすることがあるのは
セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン
などが足りなくなるからです
あなたは貧血ですか? 見のがされる貧血、貯蔵鉄不足とは?
貧血というと鉄不足で
健康診断で鉄を検査すればよい
という考えをお持ちではないかと思います
健康診断の値が正常でも
貧血のような症状が出るのはなぜでしょう?
カラダの中の鉄の貯金が
減っているからです
フェリチンと血中鉄
鉄の貯金のことをフェリチンといいます
健康診断ではかる鉄はヘモグロビンです
これは血中の鉄をはかっています
冒頭で書かせていただいたように
鉄には重要な役割が4つあります
- 赤血球をつくり、酸素を運搬す
- 筋肉に酸素を貯蔵する
- エネルギーを生産するとき、助ける
- 神経伝達物質をつくる
この中でも生死に関わるのが
酸素を運ぶ役割です
酸素がなくなると死ぬからです
酸素を運ぶ役割の血中のヘモグロビンが
減っているということは
ほかの3つに使われる鉄は空っぽということになります
体内の鉄は70%がヘモグロビン関連の鉄
残りの30%は「貯蔵鉄」です
貯金の鉄のことをフェリチンといいます
フェリチンそのものはタンパク質です
鉄と結合して肝臓や脾臓、骨髄、筋肉などに蓄えられます
鉄が必要になると、フェリチンが先に無くなっていきます
つまりヘモグロビンの値を調べても、体内に鉄が十分にある かどうかはわからないのです
これまではフェリチンをはかる方法は
保険外の高価な検査しかありませんでした
最近、保険に適応されました
ぜひフェリチンをはかっていただきたいと思います
自分で貧血か調べる方法→爪を診る
鉄欠乏は爪に出ます
つめが健康かどうかの基準は
- 爪のアーチがあるか?
- 爪は硬いか?
- 爪を切るとき「パチっ」と音がするか?
などです
貧血の人の爪は平べったく
柔らかいのです
鉄の貯金が十分ある人は
硬くて、触った時に丸いアーチがあります
アーチがわからない方は
つめを切った時の音で診断してください
つめを切った時パチッと音がすれば大丈夫
音がしないで、フニャっと切れたら
フェリチンをはかってみてください
鉄を補給する方法
鉄を補給するのは
食事とサプリメントがあります
食事で補給できる鉄には
ヘム鉄と非ヘム鉄があります
ヘム鉄と非ヘムの違い
肉や魚などの動物性食品に含まれる鉄は
有機鉄で、ヘム鉄と呼ばれます
鉄に有機物がくっついています
野菜や穀物に含まれる鉄は無機鉄で
非ヘム鉄と呼ばれます
なにもくっついておらず
鉄がむき出しです
ヘム鉄は10~30%が吸収されますが
非ヘム鉄は1~5%し か吸収されません
鉄の補給源としては動物性食品の
ヘム鉄がよろしいかと思います
アミノ酸、キレート鉄
サプリメントの鉄も
ヘム鉄と非ヘムがあります
サプリメントの鉄には
さらに吸収しやすいものもあります
アミノ酸キレート鉄といいます
これは「フェロケル」というもので
鉄を加工してアミノ酸とくっつけて
吸収しやすくしたものです
キレート鉄のメリットは
- カラダに吸収されやすい
- 便秘、黒い便になりにくい
- ヘム鉄よりも安い
などです
アミノ酸キレート鉄では
カラダに吸収されるとき
鉄としてではなくアミノ酸として吸収されます
吸収率がとても良いのです
日本人の鉄の摂取量は足りているのか?
厚生労働省の調査によれば
食事で男性は一日に7.9mg、女性は7.0mgの鉄を摂取しています
(平成25年調査)
推奨摂取量は成人男性で7.0~7.5mg
成人女性(月経あり)で10.5~11.0mgです
男性は今のままでOK
女性は足りていないということになります
鉄を吸収しやすくする栄養素
ビタミンCは鉄の吸収を促進します
ヘモグロビンをつくるときにも
重要な役割を果たします
貧血の人はビタミンCも十分に摂取してみてはいかがでしょうか?
鉄を十分摂っても不調のときはカラダの炎症を疑う
鉄を十分摂っていても
カラダが不調で
貧血のような症状が出ることがあります
原因には2つ考えられて
- 鉄が吸収されていない
- 鉄が使われていない
があります
それぞれ書いていきます
鉄が吸収されていない時にはお便が黒くなる
お便が黒い時は、鉄が吸収されていないことがあります
また、便秘にもなりがちです
そういう時には鉄の摂取量を減らしましょう
腸内環境が悪い時には
その人にとって悪玉菌が多い時です
悪玉菌も鉄が好物です
ご自身の体が使えない時に
余った鉄を悪玉菌が使ってしまい
ますます腸内細菌のバランスが悪くなってしまいます
カラダに「炎症」があると鉄が使われないで貯金する
カラダに「炎症」があると
カラダの免疫系は鉄を貯金します
皆さんが、生活費が足りなくても貯金するとどうなりますか?
生活が苦しくなりますね(笑)
これは免疫のせいです
身体に炎症があるとき
カラダの免疫はどのように思うでしょうか?
カラダの免疫は
炎症=ウィルスや細菌の感染
と勘違いしてしまうのです
さきほど、便秘のところでも書きましたが
鉄は生物にとって、とても重要な物質です
細菌、悪玉菌にとっても重要な物質です
炎症がある時は、細菌などの「敵」に鉄を利用されないよう
鉄が免疫機能により肝臓などに貯蔵されます
つまり一時的に血中の鉄がなくなり
貯蔵鉄のフェリチンが上がります
炎症のある人は常に鉄不足になるのは
こういった免疫系の働きがあるからです
炎症の原因を取り除けば、貧血は解消する
炎症の原因としては
脂肪肝
糖尿
メタボ
甘いもの、お菓子
ストレス、忙しい
お酒
腸内環境の悪い人
添加物、トランス脂肪酸
睡眠不足
などなどがあります
鉄を利用できる身体になるために
炎症をなくすには
ストレスを解消する
食事を変える
お酒をやめる
よく寝る
などがあります
ここでは食事について考えます
鉄をうまく利用できる食事にしよう
食事で鉄を吸収しやすいカラダになるには
甘いもの、お菓子、添加物、古い油
などによって
カラダに炎症を作らないことです
そのためには
- 砂糖の入った間食を控える
- なるべく生鮮食料品から自炊する
などがオススメです
参考文献
参考文献その1
参考文献その2