三陰三陽について 発表者:赤澤 充 先生
三陰三陽に入る前に
三陰三陽に入る前に
三陰三陽とは既に陰陽に分かれた状態ですので
陰陽に別れる前の話から簡単に説明させて頂きます
まずは、太陽の働きなくしては万物の生命の維持は困難であり
発生・成長・収蔵・貯蔵。春分・夏至・秋分・冬至の四季
そして、季節の初めとする
立春・立夏・立秋・立冬の四時もなかったと考えることが出来ます
- そこで如何に、この太陽の光と熱の働きを応用し利用すれば良いか(天)(表れる現象は風雨霧露)
- 天の恵みを受けて植物はより良く存続出来るか(地)
- 人間が生存上より良く受ける為にどの様にするといいのか(人)(精気神)
ここが自然を理解し、陰陽の一番初めの出発点だと考えました
太極、陰陽、剛柔について
太陽の循環とは、陰陽二気の作用が宇宙に影響し
その陰陽も又一つの太極になっています
陰陽二気とは、二十四節気でいうと、陽は大寒・陰は大暑です
太極も又無極であり
天地陰陽の初まりは測り知れるものではありません
天地陰陽とは、天が地球にどの様な影響を与えるのか
地球が天の恩恵によってどの様に表現するのかという事であります
これが陽遁・陰遁という考え方です
太陽を中心とした考え方で365日説です
天地陰陽の天と地の性質・作用も異なりますが
一つの太極に戻し考える事が自然の考え方であると考えました。
陽は剛・陰は柔と各々一つの性質を持ち合わせていますが
元は一つの太極であり、万物は化生していきます
陽は剛とは、外にあるものは力強くないと自然淘汰で無くなってしまうので
剛でなくてはなりません
陰は柔とは、内にあるものは柔
どんな条件でも満たして順応できる状態です
この二つを持っているのが太極で
太極には必ず陰陽があります
太極は気の思想の発生である
混沌・太易・太初・太始・太素・太極と連なっています
万物の形なき以前に先ず気があり
後に形を生みますが
その気の最初を「太初」。
気があって後に形を生みますが
形とは未だ何とも知らない一物象の生まれたものを「太始」
そして、気と形の二つをその物と見なして生まれたものに対し
後天の養いを受けたものを質と称して「太素」といい
気形質の分類になります
太初、太始、太素の前にある、混沌・太易ですが
混沌の混は、まじる・まざって一体となっている・濁っている
という意味があり
沌は水か流れない・川がふさがる、という意味です
この様な状態です
太易の易の字の意味は
優しい・穏やか・平安・整える・おさめる、などの意味があり
気が生まれる動き出す前段階を意味していると理解できます
そして、太極より生まれたのが陰陽です
この様な背景から、太極に陰陽が備わっていれば
仮に途中で無くなっても再生していく事が出来まると考えていく事ができます
数の話
次に数の話です
気候としての数、五臓として数の説明をさせて頂きます
数の初めは、一陰一陽より成る
陽の形は円(まる)(淮難子参照)なり
(易経では天一水を生ずと話が進む)
円の数は一なり
これを天地人という形で組み立てると頭とんがりの三角形になります
陰の形は方(しかく)なり(易経では地二陰を生ず)
陽の形は三角で陰の形は四角になります
天人地は「一」で、一を持って一となす。一は北です
その一を三倍にして「三」となす。三は東です
北と東がないと、西で自然淘汰で無くなった物が
新たに無形の物は育たないという考えがあります
天と地で一 – 一で「二」
二が二つ重なって(陰陽が二つ重なって)「四」となります。南東
天が三で地が二
天は東で、地は南西にあります
東は発芽。南西は収斂の経過になります
この三と二を合わせて「五」です
そして、五は中央に置きます
「九」は二十八宿の考え方で出てきます
二十八宿なので月の満ち欠けの話です
一は天一水を生ず 二は地を生ず 三は人を生ず 四は気を生ず
という易経の言い方があり、これに五を合わせて、ものの初まりです
一~五。この数字は無形の気が一番最初に病として発生する時の
生まれてきた病気です
邪気・形質・不内外因問わず、新生の病気です
六~九。これは一~四に五を足していきますが
一~五までを生数。邪気論。陽証。新生の病気。機能論。
六~九までを成数。形質論。陰証。慢性病。作用論。
水は一。火は九。南北、天地陰陽。吉凶論。
三は木。金は七。東西。左右陰陽。盛衰論。
これで象の生まれていく原型が分かってきます
陽の初めは、天一水を生ずで、一で北から初まり、一に参天の三を掛けると、一-三=三。
三-三=九。 九-三=二七で二十を除いて七。
七-三=二一で二十を除いて一で、一がまた下の北にきます。
一、三、七、九は東西南北で、四正といいます。
陰の初めは、地二陰を生ずといって、両(ふたつという意味)より初まり、二に乗ずる事により逆に循ります。二は南西。 二-二=四。東南。 四-二=八。東北。 八-二=十六で十を除いて六。北西。 六-二=十二の十を除いて最初の二に戻ります。
二、四、六、八は南西、東南、東北、北西で、四偶といいます。
そして、陽の数合計が二五。陰の数の合計が二十。合わせて四五。(人・九星)
四五は太陽から地球まで届く光と熱が一番早いのと遅いのを入れて45日かかる数字で、よって45日は万物が育てられていく数字になります。(素問参照)
陽(天)の数、一、三、五、七、九の二五。 陰(地)の数、二、四、六、八、十の三十。
天地の数を足すと、五十五になり、十干(天)が満たされたという事になり、
これに五を足すと六十になり、十二支(地)が満たされた事になります。
こういう事により、太陽が天地人に影響を与えていると言う事ができます。
これが60日節に繋がっていきます。三陰三陽です。
そして、一と五を合して六になり、一と六は生成の数で北。貯蔵です。
二と五を合して七になり、二と七は生成の数で南。繁茂です。
三と五を合して八になり、三と八は生成の数で東。発芽で病因論や疾病論が生まれて来る所です。なので三八がないと自然淘汰でものが無くなります。
四と五を合して九になり、四と九は生成の数で西。自然淘汰にならない様に収斂させて種に繋げます。
先程、四十五・五十五・六十の話をした時に、十という数字が出てきましたが、十は本当はゼロです。ただ四十五・五十五・六十という考えでいくと、ゼロではなくて十になるという事になっていきます。
つづく