歌手の絢香さんがバセドウ病であることを告白されてから
この病気がよく知られるようになったように思います
痩せたり太ったり繰り返してしまうこともあり
悩みの多い病気の一つではないでしょうか?
前半はバセドウ病一般について
後半はバセドウ病と東洋医学について
書いてみたいと思います
バセドウ病は自己免疫疾患
バセドウ病とは甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です
甲状腺ホルモンは身体を元気にさせるホルモンなので
必要以上に出ると、体の興奮状態が続きすぎて
さまざまな症状があらわれます
バセドウ病は自分で自分を攻撃する、自己免疫疾患です
甲状腺ホルモンに対して、白血球などの免疫機構が攻撃して
ホルモンの過剰分泌がおこります
他の自己免疫疾患と同じく
女性に多いという特徴があります
自己免疫疾患ですが、他には
橋本病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群などがあります
次はバセドウ病の症状について
バセドウ病の症状と特徴
この病気では心臓がドキドキする動悸がしたり
汗がとめどなく流れたり、疲れやすくなったりします
体の興奮状態が続きすぎているためにおこる症状です
バセドウ病には3つの特徴があります
- 首の腫れ
- 眼球突出
- 頻脈(動悸)
他にも、暑がり、疲れやすい、体重が減少する、体重増加
そして精神的には
イライラ、落ち着きが無い、集中力の低下、不眠
など感情が不安定になるという症状がよくみられます
30代以上の女性にに多くみられ
症状が更年期障害や自律神経症状に似ているため
発見することも難しい場合もあります
“忙しくて疲れているだけ”と思っているうちに
病気が進んでしまうことも多いです
バセドウ病は症状の強弱に大きな個人差があります
意外なほど患っている方が多い病気のひとつです
次はお待たせしましたw、東洋医学の話です
バセドウ病と東洋医学
ここからはバセドウ病の症状を
東洋医学で分析してみたいと思います
動悸は左側の背中が固まっている
左側のみの動悸の場合は
心臓かな?という不安があるとおもいます
病院に検査に行かれて何もなかった場合は
現代医学では原因不明ですが
東洋医学では背中は胃腸や脾臓が原因のことが多いです
胃や脾臓は左側にあります
そこの経絡が滞っていることが多いです
消化不良があります
食べ物はもちろん、精神的な消化不良でも動悸がおきます
精神不安、疲れやすいのは腎精の不足
疲れやすいのは
東洋医学では腎精の不足です
「精」とは腎臓にたくわえられている物質で
「先天の精」ともいいます
腎臓は五行でいうと「水」です
水は冷たいのがよくて
落ち着いているのが本当です
精が多いと身体の先天的な能力が活発で
疲れにくく、底力があり、病気に対する抵抗力も旺盛です
不足すると身体がダルい
寝ても寝た気がしないなどの症状が出ます
イライラ、不眠、集中力の低下
肝臓がうまく働いていないとこのような症状が出ます
東洋医学でいう肝臓の性質は
春の性質に似ています
春は日差しも柔らかで
植物でいうと春には柔らかい新芽が出てきます
肝臓の気が不足すると
考えや行動に柔軟さがなくなり
いらいらしたりします
また肝臓は血液をコントロールする臓器です
コントロール機能が失われると不眠になりやすいです
夜寝る時に血液が肝臓に戻ってこないで頭に行くと
考え事が止まらないで不眠になります
バセドウ病と一言で言っても、東洋医学ではいろいろある
上で書いてきたように
バセドウ病と一言で言っても
東洋医学ではいろいろな臓器が絡んでいます
弱いところを補佐する治療が必要です
次は鍼灸治療についてです
バセドウ病の東洋医学的治療について
治療ですが東洋医学ではどのような症状でも
- 五臓六腑の治療
- 経絡を流れる気血水の治療
- 呼吸と飲食の調整
といった大きな方針があります
それぞれバセドウ病ではどうすればよいか書いていきます
五臓六腑の治療
弱っている内臓を
元気な内臓の助けを借りて治療します
バセドウ病の場合は
腎臓(精気)や肝臓(血の調節機能)が弱っている場合が多いので
これらの臓器を治療するのが目標です
その方の体質、治療をする季節、その時の体調
などによって使うツボは違います
経絡を流れる気血水の治療
腎臓や肝臓が弱ってくることによって
気血水にも影響が出ます
それらを治療するとこで
関連する経絡の流れが良くなり
身体が軽くなったり
ほてりなどの熱症状がおさまってきます
呼吸の治療
呼吸が浅くて肋骨や胸郭の動きが悪いと
動悸がすることもあります
呼吸が深くなるとリラックス効果があります
自律神経の副交感神経が落ち着いてきて
イライラ、落ち着かない、手足の震え、不眠
などに効果があります
飲食の治療
バセドウ病の倦怠感、ほてり、汗がよくか、めまいなどの症状は
東洋医学でいう「精」が不足している時に出やすいです
「精」は腎臓に貯蔵してあります
あまった体力のようなものです
例えるなら、食事を吸収した栄養素が現金収入で
日常生活に使う栄養素が現金支出です
余ったお金が腎臓に蓄えられて「精」になります
ですから、飲食物の消化吸収の部分を治療すると
精を増やすことになり
倦怠感、ほてりなどの治療になります
最後に
いろいろ書きすぎて
雑多な記事になりましたが
少しでもお役に立てれば幸いです
甲状腺の病気は
生活習慣、ストレス、更年期
などが重なることが多いです
鍼灸の慢性病治療は効果がありますが
根本治療ではこの症状にはこのツボといった治療ではありません
治療効果はその人の弱っているところから治っていきます
どの症状から取れていくかは体質によります
ぜんぶとれるには治療に時間がかかりますが
確実に少しずつ取れていきますので
そのような根本治療ができる治療院を探してみてください
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