
「口がネバネバする」「苦みを感じる」「のどが渇きやすい」「痰が切れにくい」などの症状があると、つい冷たい飲み物でスッキリしたくなるかもしれません。
しかし東洋医学の観点から見ると、こうした症状には「温かい飲み物」を活用するのが効果的です。なぜなら、胃腸を冷やさないことが唾液の分泌と口腔内の健康維持に深く関わっているからです。
この記事では温かい飲み物と唾液の関係を初心者の方にもわかりやすく記事にまとめています。
目次
1.唾液と口腔内の関係──良い唾液は“最強の殺菌剤”
- 唾液には強い殺菌作用がある
市販のうがい薬や消毒液にも殺菌効果はありますが、実は私たちの身体が自然につくる唾液こそ、口の中やのどを健康に保つうえで非常に優れた“天然の消毒剤”です。唾液の量や質が良ければ、口の粘膜をうるおし、細菌やウイルスの増殖を抑えることにつながります。 - 唾液が不足すると何が起こる?
- 口が粘つく、苦味を感じる
- のどが渇きやすい、痰がからみやすい
- 虫歯や口臭リスクの増加
これらの悩みは、唾液の分泌が十分に行われていないサインとも考えられます。
2.唾液を出やすくするには胃を温めることが大切
東洋医学では、「胃は後天(こうてん)の氣の源」とされます。後天の氣とは、生まれた後に食事や水分などから得るエネルギーのことで、消化吸収を担う胃腸がスムーズに働くことでしっかりと作り出されます。
- 胃腸が冷えると働きが鈍くなる
たとえば冬に手が冷たくなるとかじかみます。すると、手は思うように動かなくなります。同じように、胃の中に冷たい飲食物が入ると、胃の動きが悪くなります。唾液は胃が活動中に出ますので、唾液の分泌に影響を及ぼします。 - 温かい飲み物で胃を刺激して唾液分泌を促す
温度の目安は“体温に近いほどよい”と考えるとわかりやすいです。目安としては37℃前後まで温められた飲み物が理想。冷たすぎると胃がびっくりしてしまい、結果として唾液の量も減ってしまいます。- 「常温」の水も、意外と身体にとってはひんやりしています。
- 可能であれば少量のお湯を足してほんのり温かくすると、唾液が出やすくなります。
3.口腔内をうるおす“温かい飲み物”のメリット
- 新鮮な唾液が出て粘つきを抑える
温かい刺激で胃腸が動くと、唾液腺も活性化され、口の中がさっぱりしやすくなります。 - 口・のどの殺菌効果を高める
十分に分泌された唾液には、口腔内やのどの粘膜を保護するための殺菌成分が豊富に含まれています。 - 胃腸全体の調子を整える
東洋医学では、胃腸を温めることが身体のエネルギー(氣)を高める基本と考えます。結果として全身の調子が整いやすくなります。
4.どのくらい、何を飲めばよいのか?
- 1日の目安量
一般的には、体格や季節に応じて調節が必要ですが、1日に1リットル程度の温かい飲み物を少しずつ摂るとよいでしょう。食事でお茶一杯で150mlですので3回で450mlです。約半分ですね。 - おすすめの飲み物
- 白湯(さゆ):余計な成分がなく、胃腸に優しい代表格
- ハーブティー:カフェインレスで身体を温める作用がある種類を選ぶと◎
- 薄めのホット麦茶やほうじ茶:胃に負担が少なく飲みやすい
- 生姜湯:さらに温め効果を高めたい方におすすめ
- 注意点
- 熱すぎるものは粘膜を傷める可能性があるので、あくまでも「ほんのり温かい」が目安
- 飲みすぎると胃酸が薄まる場合もあるので、少しずつこまめに摂りましょう
5.東洋医学が重視する「胃の氣」とは
東洋医学には「胃の氣(いのき)」という言葉があります。
- 胃の氣がしっかりある状態
- 食欲が安定し、食べたものをスムーズに消化・吸収できる
- 十分なエネルギーが巡り、身体全体が元気になりやすい
- 胃の氣が不足している状態
- 胃もたれや食欲不振が起こりやすい
- 口やのどが乾きやすく、唾液や胃酸の分泌が低下することも
「胃の氣があれば生き、胃の氣がなければ死す」という言葉が示すように、胃腸機能を整えることは健康維持の基本です。温かい飲み物で胃腸をいたわり、唾液や消化液の分泌をスムーズにすることが、毎日を健やかに過ごす秘訣でもあります。
◆まとめ:身体が作る“自然の薬”を最大限に活かそう
- 唾液は優秀な天然の殺菌剤
- 温かい飲み物で胃を温めると唾液が出やすくなる
- 後天の氣の源である胃腸を冷やさないことが、口腔内・のどの健康を守る鍵
もし口がネバついて不快なときは、まずはやさしく温めた飲み物を試してみてください。東洋医学では、この「自分の身体が作り出す力を引き出す」ことこそが、健康回復と維持の基本と考えます。専門家の視点からも、日々のちょっとした工夫で唾液の質と量が改善し、口腔内の不調からくるストレスを軽減できるはずです。