「こめかみがズキズキ痛む」
「頭が重くて仕事や家事に集中できない」
「吐き気まで感じてしまう」……。

頭痛は多くの方が経験する症状ですが、人によって原因や症状の出かたはさまざまです。
本記事では、まず西洋医学の視点から頭痛の種類や対処法をまとめ、2章より東洋医学的アプローチを分かりやすく解説していきます。

1. 西洋医学で見る代表的な頭痛のタイプ

頭痛は主に下記の3タイプに分類されることが多いと言われます。それぞれ痛みの原因やメカニズムが異なるため、対処法も変わってくるのが特徴です。

● 偏頭痛(片頭痛)

  • 血管の拡張と、それに伴う炎症が痛みを引き起こす
  • 脈打つようなズキンズキンとした痛みで、片側だけとは限らない
  • 音や光、ニオイなどの刺激に敏感になりやすく、吐き気や嘔吐を伴うこともある

● 群発頭痛

  • 一定期間(1~2ヶ月など)、同じ時間帯に激しい痛みが繰り返し起こる
  • 片側の目の奥をえぐられるような痛みが特徴的
  • 男性に多く見られ、痛む側だけ涙や鼻水が出る、自律神経症状を伴うケースもある

● 筋緊張型頭痛(緊張型頭痛)

  • 肩や首の筋肉が凝り固まることで血行不良が起こり、その結果頭痛が生じる
  • 長時間のデスクワークや不良姿勢、ストレスが原因になる
  • 後頭部から首筋にかけての重苦しい痛みや鈍痛が続きやすい

西洋医学的な対処のポイント

  1. 医療機関での検査・診断
    • MRIやCT、レントゲン検査で脳や血管の状態を確認
    • 痛みの原因となる他の疾患の除外や、病型の特定を行う
  2. 薬物療法
    • 偏頭痛の場合はトリプタン系薬剤、筋緊張型頭痛の場合は筋弛緩剤など、頭痛タイプに応じた薬が処方される
    • 鎮痛剤や消炎鎮痛薬を適切に使うことで、急性期の痛みを抑える
  3. 生活習慣の見直し
    • ストレス管理、就寝・起床時間の規則化、適度な運動
    • パソコン作業中の定期的な休憩やストレッチ

西洋医学の強みは、画像検査などを通じて脳などに重大な病気が潜んでいないかを早期にチェックし、大きな異常の有無を素早く見極められる点にあります。
また、急性期の痛みに対して薬や注射でコントロールしやすいことです。一方、薬の効果が切れると頭痛が再発するなど、根本原因の体質改善が課題となることも少なくありません。

2. 東洋医学がとらえる頭痛の見方とアプローチ

東洋医学では、頭痛の原因を「身体のめぐりの乱れ」から考えます。身体には「気・血・水」の3つの要素が流れているとされ、これらがスムーズに巡らないと痛みや不調が生じるというのが基本的な考え方です。

2-1. 痛む「部位」で分類する方法(太陽経・陽明経・少陽経)

東洋医学では、頭痛を「痛む場所」で大きく3つに分ける見方があります。

  1. 後頭部や首筋:太陽経(たいようけい)
    • 風邪や寒邪など、外からの邪気が首筋や背中に入り込むことで痛みが起きやすい
    • 何となく風邪をひきかけているときや、疲れがたまっているときなどに後頭部がガンガン痛むケース
  2. おでこや前頭部:陽明経(ようめいけい)
    • 胃腸の機能低下(冷えや暴飲暴食)が原因で痛むことが多い
    • 食べ過ぎや飲み過ぎで胃もたれ気味のとき、前頭部に重い痛みが出るケース
  3. こめかみや側頭部:少陽経(しょうようけい)
    • 肝臓・胆のうの解毒作用が追いつかず、体内に「にごり」が溜まることで起こる
    • 食品添加物やお酒の飲み過ぎ、便秘などで解毒が間に合わない状態のときに、こめかみがズキズキ痛むケース

具体的な例

  • Aさん(40代・会社員)
    • 忙しい日々が続き、朝食を食べたり食べなかったりで胃腸の調子が悪い
    • 昼食はコンビニ弁当中心、夜は遅い時間にラーメンなどで済ませることが多い
    • すると夕方になると、おでこや前頭部が重だるく痛み、仕事に集中できなくなる
      → この場合、陽明経(おでこ付近)の頭痛が起きやすく、東洋医学では「まず胃腸を整える」ケアが重要と考えます

2-2. 頭痛の「原因」で分類する方法(偏頭痛・群発頭痛・緊張型頭痛)

東洋医学では、偏頭痛や群発頭痛も「体内のにごり(毒素)」「排泄不足」「肝・胆の働きの低下」などが深く関わっていると考えます。

● 偏頭痛(片頭痛)

  • 血脈(けつみゃく)の汚れが大きな要因
  • 東洋医学では、血の巡りが悪くなり、汚れた血液が頭部に停滞して痛みが出ると見る
  • 具体的には、呼吸や便秘などで排泄がうまくいかず、体内の「にごり」が蓄積している状態
    • 便秘になると頭痛が強くなる人が多いのは、このためとされる

● 群発頭痛

  • 目の奥をえぐるような痛みが特長的で、東洋医学では「肝臓・胆のう」が深く関与していると考える
  • 特に毎日夜中に頭痛が出る方や、強いお酒を飲むと頭痛がひどくなる方は要注意
  • 肝・胆は解毒・排出を司る臓器なので、そこに負担がかかると血液の質が乱れ、頭痛が長引きやすくなる

● 筋緊張型頭痛

  • 首や肩の筋肉が凝り固まる原因は、東洋医学では「経絡(けいらく)の流れ」が悪くなることにある
  • 経絡は全身を巡る「気・血・水」の通り道で、これが滞ると筋肉が硬くなったり、痛みが発生したりする
  • 鍼灸治療では、凝っている筋肉に直接アプローチするだけでなく、どの経絡が詰まっているかを見極めて全身のバランスを整えるのが特徴

3. 東洋医学的「具体的な対策」

(1)にごりを入れない:食生活と飲み物の見直し

  • コンビニ弁当やファストフードばかりではなく、野菜や発酵食品、質の良いタンパク質を摂る
  • 甘いものや油分の多い食品、添加物の過剰摂取は避ける
  • 偏頭痛がひどい方ほど、便秘や肌荒れなど「排出不足」のサインが現れやすい

例:

  • **Bさん(30代・女性)**は毎日缶コーヒーを2~3本飲んでいたが、1本に減らして代わりに水かお茶を飲むようにしたところ、こめかみのズキズキが軽減した。

(2)排出を促す:呼吸・腸のケア

  • ストレスや緊張で呼吸が浅くなると、二酸化炭素や老廃物を十分に吐き出せないと東洋医学では考える
  • 自宅や仕事の合間に、深呼吸の時間を少しでも取ってみる
  • 便秘傾向がある方は、食物繊維・水分補給・適度な運動などで排便をスムーズにし、腸の負担を減らす

(3)肝・胆の働きを助ける:デトックス&リラックス

  • 「肝臓や胆のう」が弱っているサインとして、肩や首のこり、目の疲れ、イライラ感なども出やすい
  • ウォーキングや軽いストレッチで血流を促進すると、肝機能の負担軽減につながりやすい
  • 入浴や趣味の時間を活用してリラックスし、副交感神経を優位にすることでデトックス能力が上がる

(4)鍼灸治療で経絡(けいらく)の流れを整える

  • 頭痛が強い方ほど、肩・首まわりの経絡に滞りがあるケースが多い
  • 鍼やお灸でツボを刺激し、筋肉のこりを緩めながら全身の巡りを良くするのが狙い
  • 即効性を感じるケースもあれば、数回の施術で徐々に体質が変わっていくケースもある

例:

  • **Cさん(50代・男性)**は夜中に目が覚めるほどの群発頭痛に悩まされていた。鍼灸院で肩甲骨周りを中心に鍼とお灸を受け、加えて肝・胆を整えるツボを刺激してもらったところ、1ヶ月ほどで夜中の激痛が半分以下に減少。生活習慣(深酒を控える、夕食の油ものを減らす)も改めたことで、再発頻度が大きく減った。

4. 頭痛を繰り返さないための体質改善のヒント

頭痛を「その都度、鎮痛剤で抑える」だけだと、かえって身体に有害な成分が溜まりやすくなり、東洋医学の観点で見ると「にごり」が増す可能性があると考えられます。慢性的な頭痛ほど、食事・呼吸・排泄といった基本を見直しながら、定期的に身体の巡りをチェックしていくのが効果的です。

  • 定期的な軽運動:ウォーキングやヨガなどで血流を維持
  • 睡眠リズムの安定:寝る時間と起きる時間をなるべくそろえる
  • 深呼吸の習慣化:1日数回、意識してゆっくり吐く・吸うを繰り返す
  • 温めケア:首や肩が冷えると筋肉が緊張しやすいので、夏でも薄手のストールを持ち歩くなど工夫

5. まとめ

頭痛は大きく「偏頭痛」「群発頭痛」「筋緊張型頭痛」に分類され、西洋医学では薬物や検査を中心に対処します。一方、東洋医学では「身体の排出機能」や「肝・胆の働き」「経絡の巡り」を重視し、頭痛が起こりやすい体質そのものを改善するアプローチをとります。

  • 西洋医学:急性の痛みに素早く対応でき、検査で異常を見逃さない
  • 東洋医学:体質や生活習慣、経絡の滞りなど全身を総合的に整えて、頭痛の根本原因にアプローチ

もし「何度も頭痛がぶり返す」「薬を飲んでも効きにくくなってきた」「吐き気や目の奥の激痛が慢性化している」といったお悩みがある場合は、東洋医学の鍼灸治療や生活習慣の改善も検討してみてください。筋肉のこりや血行不良だけでなく、肝・胆や胃腸への負担、排泄機能の低下など、思わぬところに原因が潜んでいるかもしれません。

慢性的な頭痛は、生活の質を大きく左右するトラブルです。まずは自分の頭痛がどのタイプなのかを知り、必要に応じて医療機関を受診し、東洋医学の視点も取り入れながら身体の声に耳を傾けてみましょう。しっかりと原因にアプローチして、快適な毎日を取り戻してください。