体にいい食べものは何ですか?
というご質問をよくいただきます
ざっくりした答えですが

  1. 季節や旬にあった食べもの
  2. バランスの良い食べもの
  3. 体質にあった食べもの

東洋医学の鍼灸師としてはこう答えます

詳しく書きましたので、とても長いですw
目次から興味のある所へ飛んで、お読みいただければと思います

旬のお魚と旬の野菜は意味が違う

一般に旬の食べ物といえば、旬のお魚と旬の野菜のことを指します
旬のお魚と旬の野菜は意味が違って

  • 旬のお魚→取れる時期で脂ののりが違う、おいしさが違う
  • 旬の野菜→取れる時期で性質が違う、温めたり冷やしたり

という違いがあります

旬のお魚の違いはうまさが違う

旬のお魚はお魚自体の成長具合によって
身のしまり、脂の乗りが違って美味しさが違うということです

旬のお魚については東洋医学はあまり関係ないと思ってます
私はこの本を参考にしています

旬の野菜は採れる時期によってカラダへの影響が違う


次に旬の野菜についてですが

  • 冬の野菜は体を温めます
  • 夏の野菜は体をさっぱりさせます

大切なことは旬の時期以外に食べると
カラダに不利に働くということです

夏野菜はカラダを冷やしそうな気がしますが
夏に食べると余計な熱を取ってくれてカラダをサッパリさせます
冬に夏野菜を食べるとカラダを冷やします

冬野菜はカラダをあたためますが
夏に冬野菜を食べるとカラダに余計な熱が溜まります
冬に食べるとカラダを温めます

以下、野菜の旬をもう少し詳しく書きます

野菜の旬は陰陽で2つに分ける

一年を陰陽で2つにわけて
春夏に採れる野菜と秋冬に採れる野菜をわけます

その時期に採れる旬な食べ物を食べると
その季節にあった作用をしてくれます

春夏の野菜は体の余分な熱を取ってくれます
体がだるい、体が重いなどの症状は
余分な熱が外に出ていかないのが原因の一つです

3月〜5月ごろは春のものを
5月〜8月ごろは夏のものを食べると
余計な熱が下がっていってだるさ重さが取れます

秋冬の野菜は体を温めてくれたり、風邪に効果があったりします

9月〜11月は秋のものを
11月〜2月は冬のものを食べましょう

長ネギは薬味と言われています
薬効が高いので薬味と呼ばれていると思います

長ネギは呼吸器に効きます

秋冬の野菜はお鍋の材料が多いです
煮たり蒸したりして食べるものが多いです

春   キャベツ、レタス、新たまねぎ、たけのこ、ごぼう

夏   アスパラ、きゅうり、トマト、なす、ピーマン
    たまねぎ、にんじん、らっきょう、えんどう豆

秋   長ねぎ(たまねぎは夏)、かぼちゃ

冬   ほうれん草、小松菜、白菜、水菜
    大根、レンコンなどこんさい類

参考リンク

次はバランスのよい食べ物についてです

バランスの良い食事とは栄養バランスのこと

一般に体にいいお食事とは
バランスの取れた食事のことを指します

この場合のバランスとは

  • 炭水化物(お米、パン、麺など主食)
  • タンパク質(お肉、お魚など)
  • お野菜、乳製品など

もしくは

  • 主食→ごはん、パン、麺→5
  • 副菜→野菜、きのこ、イモなど→5
  • 主菜→肉、魚、卵、豆など→3


(参考)厚生労働省のページ
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/pdf/gaido-kihon.pdf

実行していらっしゃる方も多いかと思います
しかし、この指針どおりに食べて健康を保てるのでしょうか?
多分、保てません
医療費、慢性病の患者さんが増えているのがその証拠かと思います

ここからはバランスの良い食事の内容を
東洋古典医学や先住民の知恵をかりて考えてみます

東洋古典医学や先住民の食事バランスとは

  1. 東洋医学では五味をバランスよく食べる
  2. 先住民は病気をしなかった

詳しくみてみましょう

東洋医学の五味とは「酸苦甘辛鹹」

東洋医学では食べ物の味を五行で分類したものを
五味といいます

五味のバランス、季節に合った味が重要です

酸→木
苦→火
甘→土
辛→金
鹹→水

酸味、苦味、甘味、辛味、しおから味
に分類します

この中で特にバランスを崩しやすいのは甘味です

なんでも甘くして売っている

本来甘くないものまで技術開発で
甘くしてから売られています

甘くする技術といっても簡単で
どんな食べものでも腐熟させると甘味が増します

今は熟成肉などが流行っていますね
トマト、キャベツなどの野菜も熟した方が甘くなります

キャベツは本来酸味です
トマトは本来苦味です

ですが甘味の方が一般に受けが良いので
熟成して甘味にして売られています

甘すぎると野菜本来の力を失うと思います

飲食店や加工食品も
土の甘味、旨味を出そうとしています
甘い味はいたるところにあります

そのせいで今の日本人は甘味過多な人が多いです
甘味の取りすぎによる病気の患者さんがとても多いと感じています

甘味は五行では土で、脾臓、背中、思慮、などと関係しています

  • 脾臓の病気→糖尿病、膝痛、手首足首痛、栄養のむくみ
  • 背中→肩甲骨周辺のだるさ、背中が原因の腰痛
  • 思慮→優柔不断、迷いが多い、考えがまとまらない

などになります

甘味の過剰がひどくなると五行の木火土金水がバランスを崩し
土剋水という現象が起きます

土によって水が壊れていきます

水は東洋医学では
脳せき髄や腎臓です

甘いものを食べてほっこりするという現象は
脳せき髄に土剋水という現象が起こっています

脳せき髄の活動レベルが甘いものによって
落ちてしまったといっても良いと思います

参考リンク

西洋食が入る前の先住民は病気をしなかった

近代化される前の先住民の健康状態を調べた本があります
「食生活と身体の退化」という本で
1920年代に書かれたものです

現代文明と接触し食生活が「近代化」しはじめたとたん、先住民族の口腔や顎の構造がどんなに打撃を受け、劣化しはじめるか。―1930年代に世界各地で10数年にわたるフィールドワークをつみ重ね、その事実を明らかにして現代人の食生活に警鐘を鳴らしたウェストン・プライス博士の記念碑的「古典的名著」です

500ページ近くあるあまりに長く膨大な本です
ネット上に要約してあるPDFを見つけました

https://www.ueda-d.com/images/inventory.pdf

この本によると、西洋の食事が入る前の
先住民族には病気らしい病気がなかったことが書かれています

特にビタミン、ミネラル、たんぱく質が足りている民族の場合
虫歯、成長障害は皆無であることが記録されています

遺伝的に似た民族であっても
精製小麦やオートミールなど市販食品に接している地域では
歯列障害、結核、先天異常が多発していることが書かれています

東洋医学では先天の精が豊富なら
病気になりにくいと言われています
そして歯は先天の精の余りです

ビタミン、ミネラル、たんぱく質を多く含む食品を摂れば
先天の精が後天の飲食物で補給されます

お肉、お魚、野菜、海藻などが
ビタミンミネラルタンパク質を多く含む食品です
これらをたくさん摂ることが
バランスのとれた食事だと思います

病気を治すために何を食べればよいか?

自然治癒力をつけるための食べ物は
先ほども申しました通り
お肉お魚野菜です

それぞれについて少し補足です

お肉、お魚の話

お肉やお魚にはタンパク質が多く含まれています

このたんぱく質をたべることによって
病気に対する抵抗力(免疫力)のもとになります

我々のからだは血液や筋肉など
重要な器官はほとんどタンパク質で出来ているからです

病気になった古いからだを
新しいものに変えていくと
自然に治っていきます

炭水化物の話

炭水化物は特に意識して食べなくても大丈夫です
なぜなら、今の世の中は炭水化物でいっぱいだからです
頂くおみやげや外食産業などは炭水化物であふれています

炭水化物のはたらきはエネルギー(体を動かすこと)です

昔と違って現代は肉体労働をしなくてもいい時代です
エネルギーは少しで大丈夫だと思います

あまったエネルギーは脂肪として蓄えるので
低炭水化物ダイエットという方法もあるくらいです

肉と魚ばかり多く食べて大丈夫?
という質問をよくお受けします

答えは大丈夫ではありません(笑)
野菜も食べていれば』大丈夫です!

お野菜の話

肉や魚ばかりでは身体の中を汚してしまいますので
野菜も食べなければなりません

上でも申しましたとおり
野菜には旬の時期があります

その時期の野菜は他の時期に比べると栄養も豊富です

野菜自体の性質もその時期にあっていますので
やはり旬の時期の野菜を食べましょう

食事と鍼灸治療について

病気を治すためには、質のよいものを食べる事が一番近道です
その時に気血水や五臓六腑の鍼灸治療と並行すると
治りが早いです

東洋医学の鍼灸治療は
呼吸や胃の働きを重視しています

食べたものをより吸収出来るように治療します

気、血、水の流れをよくして
各器官に栄養が届くようにすることを
治療の基本にしています

だから、きちんと食による療法が出来れば
もしかしたら鍼灸師は要らないのかもしれません(汗)

それくらい食による療法は重要だと思います!

皆様の周りにも
お肉やお魚が好きで沢山食べる方がいらっしゃいませんか?

その方はは元気で過ごしていらっしゃいませんでしょうか?

体質にあった食べもの、足りないのか消化不良か?

東洋医学で体質は虚実で分ける場合と五行で分ける場合があります

体質を虚実で分けた食べ方

体質が虚の方は同じ食べ物を食べても
吸収できないことがあります

体質が実の方はどんどん食べられるので
体に悪い食べ物もそれに気づかず食べてしまい
消化不良になって体に溜まってしまうことが多いです

体質が虚の方は栄養豊富で質の良いものを
選んで食べる必要があります

吸収される量が少ないですから
少なくても質の良いものを食べなくてはいけません

体質が実の方は余計なものを食べないようにしましょう
特に添加物と炭水化物の食べ過ぎには
気をつけた方が良いと思います

五行で分けた食べ方

東洋医学では体質を九星で分けて
木火土金水を調べます

九星とは生まれ年や生まれ月から
木火土金水の性格を9つに割った考え方です

一白水星
二黒土星
三碧木星
四緑木星
五黄土星
六白金星
七赤金星
八白土星
九紫火星

これら9つに分かれます

一白水星の人は水の体質
二黒土星の人は土の体質です

生まれ年から分けます、こちらの表を参考にしてください
1月1日〜2月3日生まれの方は生まれる前年の星です
(東洋医学では2月4日から新年なので)

木→ひょろっとしている
火→中肉中背
土→豊満
金→ガッチリしている
水→柔らかい

体質による五行の性質はこれが基本です

私は金星ですが細くて柔らかいので
体質にあっていません

体質にあっていないときは
先天的に弱いということですので
後天である食事で補わなければなりません

土の体質や水の体質の方は
太りやすいかもしれません

痩せないのでダイエットをするとき
過度なダイエットになってしまうと栄養失調を起こしやすいです

参考リンク

あなたの体格を五行でみる | 鍼灸師の東洋医...
生まれもって細い 生まれながらに豊満だ などいろいろな体格があると思います 東洋医学では先天的な体質の傾向は計算できます もちろん後天的に生まれてからの生活の中で 飲食や運動などで個性は出ます ここではだいたいの体質を知ることで 自分が生まれもったものに近づいているのか 遠ざかっているのか判断する方法を書きます 遠ざかっていて調子が悪くなる時は注意してください 木火土金水の体質の調べ方 体格ですが先天的に持っている 木火土金水の性質と合っているかが基準です 九星で見るのがよいでしょう 一白水星 二黒土星 三...

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は体にいい食べ物ということですが
少し範囲が広すぎたかもしれません(苦汗)

もう少し細かい内容の記事を
関連リンクにのせましたので
ご興味のある方は参考にしていただけたらと思います

関連リンク

食事の量について

旬の野菜についてのページ