猫背と反り腰、あなたはどっち? タイプ別に違う不調と体のケア
突然ですが質問です
椅子から立ち上がるとき、あなたはどう立ちますか?
- 上半身を前に倒し、手を使ってよいしょと立つ。
- 上半身を起こしたまま、手を使わずにスッと立つ。

実はこの何気ない動きで、あなたの体のタイプがわかります。
・ひざに手をつく人は「猫背型」
・そのまま立ち上がる人は「反り腰型」です。
本日はこの2つのタイプの違いと、タイプごとに出やすい不調・ケアの話をします。
人は「猫背型」と「反り腰型」に分かれます
体の使い方には、もともと2つのタイプがあります。
- 猫背型:体の前面(胸の筋肉・腹筋)を先に使うタイプ
- 反り腰型:体の背面(背筋・腰の筋肉)を先に使うタイプ
違いは、動き出しにどちらの筋肉を先に使うかです。完全にニュートラルな人はいません。
どちらもあなたの体が持って生まれた「クセ」です。ただし、どちらも極端に寄りすぎると、それぞれ特有の不調が出てきます。
あなたはどっち? 3つのセルフチェック
自分のタイプは、ふだんの何気ない動きでわかります。
1.立ち上がり方チェック
冒頭の質問です。椅子に座った状態から立ち上がるとき、どちらの動きがスムーズですか?
- 上半身を前に倒し、手を使って立ち上がる → 猫背型
- 上半身を起こしたまま、手を使わずにスッと立ち上がる → 背筋を使えている反り腰型
2.重いドアチェック
重いドアを開けるときは、どのような動きになりますか?

- 頭を下げて、手で押す → 猫背型
- ドアに近づき、体を反らせながら押す → 反り腰型
3.荷物持ち上げチェック
重い荷物を持ち上げるときは、どちらの動きに近いでしょうか?

- 立ったまま腰を曲げて、手と胸の筋肉で持ち上げる → 猫背型
- ひざを落として荷物を体に引きつけ、背筋で持ち上げる → 反り腰型
猫背型は「虚弱」に、反り腰型は「腰痛」に傾きやすい
タイプがわかったら、それぞれの体で何が起きやすいかを見てみましょう。
猫背型に起こりやすいこと
猫背型は、骨盤が後ろに倒れている、いわゆる骨盤が「寝ている」状態になりやすいタイプです。胸の筋肉など、体の前面と手を中心に使います。
これが極端になると、胸郭という肋骨のかごがつぶれ、呼吸が圧迫されます。みぞおちも縮こまり、胃などの内臓も圧迫されやすくなります。
そのため、胃の不調や息苦しさといった症状が重なりやすくなります。さらに呼吸が浅くなると、体に取り込めるエネルギーも少なくなります。
そのため、極端な猫背の方は疲れやすく、虚弱な状態に傾きやすいのです。
反り腰型に起こりやすいこと
反り腰型には、猫背型のような胸や内臓の圧迫があまりありません。
もともと背骨と背筋を使えているタイプなので、呼吸や内臓の動きが妨げられにくく、パワーを出しやすい傾向があります。
そのかわり、体を支える負担が腰に集中しやすいため、腰痛が起こりやすくなります。
大まかにいえば、極端な猫背は「虚弱」に、極端な反り腰は「パワーはあるけれど腰痛を抱えやすい状態」に傾いていくと、臨床でも感じています。
現代人に猫背が多い理由
スマホやパソコンで、手と目をよく使う。それが現代の暮らしです。
手や目を使う作業は、体の前面の筋肉を使います。だから現代人には猫背が多いのです。
猫背の人が目立つので「猫背=悪い姿勢」と思われがちです。
ですが、猫背は、体の前面を先に動かす癖が原因です、極端でなければ悪い姿勢ではないと私は思っています。
自分でできる姿勢ケア:骨盤をやわらかくする
ここからは、自分でできるケアの話です。意識したいのは骨盤です。
目指すのは、猫背や反り腰のどちらか一方に固まらず、骨盤をニュートラルな中間の位置に戻せる柔軟性です。
骨盤がニュートラルな位置に戻りやすくなると、背骨もしっかり使えるようになります。
そこでおすすめしているのが、次の2つの座り方を交互に行う方法です。

- ヤンキー座り(和式トイレの座り方):猫背をいちばん深くしたような姿勢
- 番頭さん座り:片膝をついて背骨を伸ばし、骨盤を立てた姿勢。昔の番頭さんがご主人の御用を聞く姿勢や、プロポーズをするときの姿勢に似ています

この2つの姿勢を交互に、1日5回ほど行います。骨盤の柔軟性が良くなり、姿勢をケアする運動になります。
痛みが出ない、無理のない範囲で行ってください。
猫背型の鍼治療:呼吸と胃を楽にする
猫背では、みぞおちや横隔膜のあたりが縮こまりやすくなります。胸郭がつぶれ、呼吸や飲食に影響が出やすい状態です。
そこで当院では、東洋医学でいう「脾胃(ひい)」、つまり消化の働きに関係する部分を整える治療を行います。
肩や背中を緩めながら、呼吸と胃の働きを整える施術もあわせて行います。
施術のあとに「呼吸が楽になった」とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。
反り腰型の鍼治療:使いすぎた体を休ませる
反り腰型の方には、体を使いすぎている方が多いと、臨床を通して感じています。
反り腰型は、もともと背骨と背筋を使えているタイプです。そのため、パワーを出しやすく、エネルギー効率のよい体の使い方ができると私は考えています。
だからこそ、どんどん動けてしまい、気づかないうちに過労気味になりやすいのです。
東洋医学の古典には「久しく行けば筋を傷る」という言葉があります。
歩きすぎや動きすぎは「筋」を傷めます。筋は、東洋医学でいう「肝(かん)」という働きと深く関係しています。
そのため当院では、肝に反応があればそこをケアし、使いすぎた体を休ませる施術を行います。
まとめ:自分のタイプを知ることから始めましょう
- 人の体は猫背型と反り腰型に分かれ、それぞれ持って生まれた体のクセがある
- 立ち上がり方、重いドアの開け方、荷物の持ち上げ方から、自分のタイプを確認できる
- 極端な猫背は呼吸や内臓を圧迫し、疲れやすく虚弱な状態に傾きやすい
- 極端な反り腰はパワーを出しやすい一方で、腰に負担が集中しやすい
- ヤンキー座りと番頭さん座りを交互に行うと、骨盤をニュートラルな位置へ戻す練習になる
- つらさが強いときは、それぞれの体のタイプに合わせて鍼灸でケアする方法もある
姿勢や体のクセが気になる方は、お気軽にご相談ください。
