私が会長を務める勉強会「北海道漢方鍼汪会」のこと

昭和54年から続く、東洋医学の勉強会です
院の紹介ページに「北海道漢方鍼汪会 会長」と書いてありますが、「何の会だろう?」と思われた方もいるかもしれません。
これは、私が月2回通い続けている東洋医学の勉強会のことです。
北海道漢方鍼汪会(ほっかいどうかんぽうしんおうかい)は、札幌で40年以上続く東洋医学の勉強会です。始まりは昭和50年代。東京にある本部「日本漢方鍼汪会」の、北海道の会にあたります。
私はこの会の2代目会長です。会を立ち上げたわけではなく、先代が75歳になられたときに引き継ぎました。
私が昔、東京で修行し、師匠の二階堂先生から直接教えていただいていたご縁もあってのことだと思っています。
引き継ぎのお話をいただいたときは「まだまだ未熟なのに」という気持ちでした。
ただ、人に教えるためには自分が勉強しなければなりません。実際にやってみると、かえって教える側のほうが学ぶことが多いと感じています。
現在は月2回、札幌市東区の区民センターに10人ほどが集まっています。開業している鍼灸師が中心で、学生さんが参加することもあります。
なぜ開業してからも勉強会に通うのか
正直にお話しすると、私にもスランプの時期がありました。
自分では100%の力を出しているつもりなのに、治療の効果が思ったように出ない。そんなことが続いたのです。
勉強会の仲間に相談すると、返ってきたのは意外な一言でした。
「最近、鍼を打つ姿勢が悪くなってるよ」
鍼には基本となる正しい姿勢があります。それが、自分では気づかないうちに崩れていたのです。基本を守らなければ、治療の効果は出ない。あらためて思い知らされました。
どの鍼灸師も、全力で患者さんに向き合っていると思います。それでも、知らないうちに基本が崩れることがある。自分では直せないもの——それがスランプです。
野球選手がコーチにフォームを直してもらうのと同じで、鍼灸師にも、自分を客観的に見てくれる仲間が必要なのです。
勉強会でやっていること——3人1組の実技

勉強会では、東洋医学の理論や診断法、古典の読み解き、症例の共有など幅広く学びますが、中心にあるのは実技です。
3人1組になり、「治療する人」「治療を受ける人」「観察してアドバイスする人」に分かれます。この3人目の存在が、とても大切です。
たとえば、観察役が受ける人の脈に触れたまま、治療する人がツボを取って構えます。
すると、鍼を打つ前の「構え」の時点で、すでに脈が変わるのです。
ツボが正確に取れていなければ、脈は変わりません。
脈が「どう」変わったかを読み取るのはとても難しいのですが、「変わったかどうか」なら、観察していれば比較的わかります。
ツボが正確なら、皮膚につやが出てきたり、お腹が少しふっくらと柔らかくなったりもします。
こうしてお互いの目でチェックし合いながら、ツボの位置や鍼を打つ姿勢といった基本を、何年たっても磨き直しています。
この学びは、患者さんの治療につながっています
東洋医学では、季節によって治療の方針が変わります。春夏秋冬だけでなく、24節気(にじゅうしせっき=1年を24に分けた昔の暦)や、その年ごとの気候によっても変わります。
「今年は暑くて湿気が多いから、体に熱がこもりやすいね」
勉強会でそう確認し合えていれば、患者さんの体を診る視点が変わります。一人で勉強しているだけでは、こうした見立てに自信を持ちきれないことがあります。仲間と確認し合えるからこそ、確信を持って治療にあたることができるのです。
おわりに
40年以上受け継がれてきた学びの場を次の世代につなぎながら、私自身もまだまだ学び続けていきます。
勉強会について詳しくは、鍼汪会のホームページをご覧ください。


