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徳田漢方はり院
〒060-0807
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その不調、湿気のせいかもしれません — 札幌の蒸し暑い夏と東洋医学

2026 7/12
自律神経、甲状腺の治療
2026年7月12日
目次

夏の不調の原因は「暑さ」だと思っていませんか?

当院では毎年この時期、「めまいがする」「疲れが取れない」「胃の調子が悪い」という方が増えます。お話をうかがっていくと、犯人は気温ではなく湿度——ということがとても多いのです。

しかも最近の札幌には「気温は低いのに、湿度だけ高い」日があります。気温が低くて過ごしやすいので、湿度が体の中に入って悪さをしているということがわからないのです。

もともと札幌はクーラーもあまり普及しておらず、湿気を警戒する習慣そのものが、あまりないのですね。でも、湿気は体にはっきり影響します。まずはその仕組みからお話しします。

湿気で、体の中では何が起きているのか

蒸し暑い日は、汗をかいても乾きません。汗は蒸発するときに体の熱を逃がしてくれるので、乾かないと熱が体に残ります。これが「のぼせ」のもとです。

東洋医学では、体をうるおす水分を「津液(しんえき)」と呼びます。体に熱がこもると、この津液が熱で煮詰まるように固まって、「痰(たん)」という余分なものに変わります。固まった津液は流れを妨げるので、コリや痛みの原因にもなります。もともと炎症やむくみのある方は、この時期に症状がひどくなりやすいのです。

わかりやすい例が、リウマチの朝のこわばりです。東洋医学の見方では、寝ている間に津液が固まってしまうから、朝はこわばる。起きてしばらく動いているうちに楽になるのは、津液の流れが戻ってきたからです。(リウマチも当院で対応しております。)

水は、巡らないと濁ります

もうひとつ大事なのが「三焦(さんしょう)」です。三焦は、全身の水分を巡らせる働きを受け持ちます。ちなみに、いらない水分を調節して膀胱へ渡すのは腎臓、外へ排泄するのは膀胱。「動かす」担当が三焦です。

水は、動かないと濁ります。花瓶の水は替えないと悪くなりますし、ため池の水が緑色によどんでいるのは、流れていないからです。体の水分も同じで、巡ってこそ体をうるおしてくれます。

蒸し暑くて汗がうまく出せない状態が続くと、この三焦が疲れてきます。すると、むくみが出る、汗が変になる、熱がこもる——という悪循環が始まります。

こんな症状、出ていませんか

当院でこの時期によくうかがう訴えを挙げてみます。

  • 毎年、夏になるとめまいがする
  • 暑さと湿気が出てくると、疲れが取れない
  • 急に蒸し暑くなると、熱中症のような気持ち悪さ、「体がおかしい」感じがする
  • 腕がだるい。特に右腕
  • 食欲がない。「胃の調子が悪い」感じがする
  • 皮膚の湿疹・かゆみ
  • 鼻づまり、痰のからむ咳、喉のチリチリした違和感
  • 更年期ののぼせ・ほてり・寝汗が、この時期だけ極端にひどくなる

腕のだるさは、三焦の経絡(けいらく=気の通り道)が腕の背面を通っているためです。一日中パソコンに向かい、マウスやキーボードを使う方は、右腕にあらわれることが多い。実際、「この辺がだるくないですか?」と腕の背面を指すと、「あ、そこです、そうです」と驚かれることがよくあります。

食欲不振も、よくよくお話を聞くと「胃」というより「みぞおち」が張っている方が多く、これは肝臓にストレスがかかっているサインと診ています。食欲が落ちて夏バテになるのか、夏バテで食欲が落ちるのか——どちらが先かはわかりませんが、悪循環になっていることは確かです。

鼻やのどの症状は、熱で固まった粘液がのどに張り付いている状態です。肺に熱がこもると、鼻づまりや痰がらみの咳としてあらわれます。

自分でできる湿気対策

札幌の人が苦手な「湿気対策」、私のおすすめはこうです。

水だけをがぶ飲みしない。 水だけを大量に飲むと、吸収するのに体が負担を受けます。コーヒーやビールは利尿作用があるので、かえって脱水に傾きます。経験上、この時期に飲むと余計に苦しくなります。
水分補給はスープやお味噌汁が良いですね。水やお茶よりも吸収が良いと感じています。

トマト・豆腐・にがり。 トマトは9割以上が水分で、土から吸い上げたミネラルも入っています。水分補給には一番いい、と私は考えています。熱中症っぽくなったときにトマトを食べると、経験上、抜群に効くと感じています。夏は特にマグネシウムが必要なので、にがりや豆腐(9割以上が水分+にがり)もおすすめです。

汗をかくたびにシャワーで流さない。 意外に思われるかもしれませんが——汗をかくと、水分は蒸発しても、塩分やマグネシウムは皮膚に残っていて、本来は再吸収されます。ところが汗をかくたびシャワーを浴びると、再吸収される前に流れてしまう。ミネラルが足りなくなると、めまい、ぼーっとする、といった症状が加速します。お風呂・シャワーは1日1回で十分です。

夏野菜を食べる。ただし火を通して。 虚弱な方、慢性の不調のある方ほど「夏野菜は体を冷やすからダメ」と思い込んでいます。しかし真夏の間は、体の熱を冷ます夏野菜が必要です。夏に熱を冷ましきれないと、そこから温度調節機能がくるって、冷え性の始まりになります。
夏野菜であるトマト・キュウリなどは生で食べることが多いです。生で食べると胃を冷やします。虚弱な方が夏野菜を避ける理由は「胃」にあると思います。トースターで焼くなど軽く火を通してから食べると胃への影響は無くなります。

長風呂・サウナはほどほどに。 運動の汗は、呼吸・脈拍・体温の3つが揃って上がります。ところがお風呂やサウナの汗は、体温と脈拍が上がるのに、リラックスして呼吸だけは下がる。この独特の負荷が、パソコンの強制再起動のように体をさっぱりさせてくれるのですが、再起動には体力というコストがかかります。体力のある方にはいいのですが、虚弱な方・慢性の不調のある方には、そのコストの持ち合わせがありません。しかも汗でまたミネラルが減ります。夏場は特にご注意を。

鍼灸でできること

ここからは少し専門的な話をします。むずかしければ読み飛ばしてくださって構いません。

かんたんに言うと、湿気にやられた体は「熱が取れない・津液が動かない・体が汚れている」状態です。鍼灸では、これをきれいにしていく治療をします。

鍵になるのは呼吸、つまり肺臓です。体の中が濁って解毒が必要になると、肝臓に負担がかかります。東洋医学では、血の汚れは「気」で助ける——つまり肝臓の負担は肺臓で助けるのが一番いい、と考えます。呼吸が深くなれば肝臓の助けになりますし、ふーっと深く吐けるようになると腸も動き出します。肺と大腸は表裏の関係なので、便通がつくことも「体の汚れの解消」を間接的に助けてくれます。

もう少し詳しく言うと——湿気や暑さは「邪気」として体に入ってきます。はじめは胃などにあらわれ(陽明=体の前面部に症状が出ます)、慢性化して進むと「少陽」という段階に入り、胆経・三焦経、つまり体の側面部に症状が出ます。この時期に側頭部の片頭痛が増えるのは、このためです。熱によって津液が虧虚(きよ=消耗して足りなくなること)していく——この流れを診立てて、陰陽のバランスを整えていきます。

ひとつ、私が師匠から受け継いだ治療の考え方をお話しします。直接の治療で助かるのは急性病だけ、慢性病は間接的に助ける——というものです。弱っているところは、直接刺激してもあまり助かりません。津液のツボをどれだけ直接刺激しても、津液の機能そのものが弱っていれば、症状が消えても一時的です。テーマは変えずに、元気なところから間接的に治療する。だから今回の場合は、肺臓・呼吸から助けていくのです。

まとめ

湿気は、目に見えないぶん警戒されにくいのですが、だるさ・むくみ・めまい・かゆみ・咳と、体のあちこちに影響します。特に湿気に慣れていない札幌では、「なんだか調子が悪い」の正体が湿気だった、ということが珍しくありません。

トマトや味噌汁、お風呂の入り方など、できることから試してみてください。それでもつらいときは、どうぞ一人で我慢なさらないでください。

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自律神経、甲状腺の治療

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