「これが体にいいですよ」
「この成分が健康に効果的です」
「このサプリメントがおすすめです」
――健康に関する情報は、毎日のようにテレビや雑誌、インターネットで目にしますね。

どれが本当に良いのか、どれを選べばいいのか、迷われている方も多いと思います。情報が錯綜していて、何が真実なのか分かりにくいですね。

実は、健康になるために最初に取り組むべきことは、「体にいいものを摂る」ことではなく、「体に悪いものを除く」ことです。

本記事では、なぜ「体に悪いものを除く」ことから始めるべきなのか、具体的に何を除けばいいのか、そして代替品はどうすればいいのかについて、詳しくご紹介します。


なぜ「体に悪いものを除く」ことが先なのか

コストがかからない

「これが体にいいですよ」と宣伝される商品は、大抵高価なものが多いと思います。

「貴重な成分だから高いんです」「特別な製法で作られているから」といった理由で、健康食品やサプリメントは高額になりがちです。もちろん、本当に良いものもあるでしょう。しかし、売りたい人が大げさに宣伝していることも少なくありません。

一方、「体に悪いものを除く」ことは、お金がかかりません。今使っているもの、今食べているものをやめるだけです。むしろ、無駄な出費が減って節約になることもあります。

健康になるのに、高額なサプリメントは不要です。まずは「引き算」から始めることで、お財布にも優しく健康を取り戻せます。

情報が明確で迷わない

「体にいいもの」に関する情報は、本当にたくさんあって迷ってしまいますね。

ある専門家は「これがいい」と言い、別の専門家は「それは効果がない」と言う。科学的な研究も、時には相反する結果が出ることがあります。情報が多すぎて、どれを信じていいのか分からなくなってしまいます。

一方、「体に悪いもの」は、比較的明確です。長年の研究や経験から、避けるべきものがはっきりしています。情報に迷わず、確信を持って実践できるのが大きなメリットだと思います。

効果を実感しやすい

悪いものを除くことで、体が本来の機能を取り戻していきます。

「なんとなく調子が良くなった」「肌の調子が良くなった」「朝の目覚めがすっきりした」――こうした変化は、比較的早く実感できることが多いです。変化が分かりやすいと、モチベーションも続きやすくなりますね。

まずは土台を整えてから、良いものを取り入れる。この順番の方が、効果的に健康を取り戻せると考えています。


具体的に除くべき5つのもの

では、具体的に何を除けばいいのでしょうか。ここでは、特に注意したい5つのものをご紹介します。

1. 女性ホルモン撹乱物質を避ける

どんな影響があるか

女性ホルモン撹乱物質とは、体内のホルモンバランスを乱す物質のことです。長期的に浴び続けると、さまざまな不調が積み重なっていきます。

女性の場合、生理痛、生理前症候群(PMS)、更年期障害など、産婦人科系のありとあらゆるトラブルが起こりやすくなるといわれています。生理のたびに辛い思いをされている方は、もしかしたらこうした物質が影響しているかもしれません。

男性も無関係ではありません。精子が少なくなったり、前立腺に問題が起きたり、さまざまな影響が報告されています。ホルモンバランスは、男女問わず体のあらゆる機能に関わっているため、とても大切なのです。

具体的に何があるか

では、どんなものに女性ホルモン撹乱物質が含まれているのでしょうか。

まず、牛乳を中心とした乳製品です。牛乳には、牛のホルモンが含まれています。人間と牛では体の仕組みが違うため、こうしたホルモンが人間の体に入ると、バランスを崩す可能性があるといわれています。

次に、豆乳を中心とした、発酵していない大豆製品です。大豆にはイソフラボンという成分が含まれており、女性ホルモンに似た働きをします。適量なら問題ありませんが、毎日大量に摂取すると、ホルモンバランスに影響を与える可能性があります。ただし、味噌や納豆など発酵した大豆製品は、発酵の過程でイソフラボンの性質が変わるため、問題ないといわれています。

そして、石油精製をした洗剤、化粧品などです。石油由来の化学物質の中には、女性ホルモン撹乱物質として作用するものがあります。皮膚から吸収され、体内に蓄積されることもあるため、注意が必要です。

なぜ避けるべきか

体内のホルモンバランスは、とても繊細で複雑な仕組みです。外から余計なホルモン様物質が入ってくると、体は混乱してしまいます。

毎日少しずつでも、長期的に浴び続けることで、体には確実に影響が蓄積されていきます。原因不明の不調が続いている方は、一度こうした物質を避けてみることをおすすめします。

代替品

乳製品の代わり:発酵した大豆製品(味噌、納豆など)を取り入れましょう。ミルクのような飲み物が欲しい場合は、アーモンドミルクやココナッツミルクなどの植物性ミルクもあります。

洗剤・化粧品の代わり:天然成分の石けんや洗剤は、意外とリーズナブルです。重曹やクエン酸を使った掃除なら、むしろコストが下がります。化粧品は、無添加やオーガニックのものを選び、シンプルなスキンケアに変えることで、肌トラブルも減り、長期的には節約にもなります。

2. 残留農薬を避ける

どんな影響があるか

農薬は、作物を害虫や病気から守るために使われますが、収穫後も野菜や果物に残留していることがあります。こうした残留農薬の中には、毒性があるものがあります。

特に注意したいのが、遺伝子組み換え作物です。遺伝子組み換え作物の多くは、強烈な農薬に耐えられるように遺伝子を組み換えられています。つまり、通常の作物よりもはるかに多くの農薬が使われている可能性があります。

残留農薬には規制があると思われていますが、日本における規制の値は70年代80年代からあまり変わっておらず、最近のEUなどのように厳しくはありません。

毎日食べる野菜や穀物だからこそ、農薬の残留には注意が必要です。

対策

理想的なのは、無農薬や有機栽培の野菜を選ぶことです。最近では、スーパーでも有機野菜コーナーが増えてきました。

もし有機野菜が手に入りにくい場合は、野菜をよく洗ったり、皮をむいたりすることで、残留農薬を減らすことができます。

また、食品を選ぶときに「遺伝子組み換えでない」と表示されているものを選ぶことも大切です。安価な加工食品に使われる大豆製品や油、コーンなどには、「遺伝子組み換えです」という注意書きが書かれないので、特に気をつけたいですね。

3. 砂糖を避ける

なぜ避けるべきか

砂糖は「炭水化物」「糖類」として栄養になるといわれますが、健康には有害なことが多いです。

砂糖には、中毒性があります。甘いものを食べると、一時的に幸せな気分になりますが、その後すぐにまた欲しくなる。このように繰り返してしまうのは、麻薬のような中毒性があるからです。

また、砂糖は体を糖化させます。

糖化とは、体のタンパク質が糖と結びついて変性してしまうことで、老化のようなものです。具体的には、シミやそばかすが増えたり、肌がくすんだり、体が焦げたような状態になっていきます。

どう考えるべきか

砂糖は、お酒やタバコと同じく嗜好品として扱うべきだと思います。

しかし、現代社会を見てみると、デパ地下などに行けば甘いものがなんでもあっという間に手に入ります。誰でも簡単に、大量の砂糖を摂取できる環境になっています。

麻薬のように中毒性があるのに、「体にいい」「脳にいい」などと言われることもあり、警戒心が薄れてしまいがちです。だからこそ、普段から気をつけなければいけないと思っています。

実践方法

まずは、甘いものを「特別なもの」として扱うことから始めてみませんか?

ご褒美的に食べるのは良いと思いますが、日常の中に甘いものを取り入れてしまわないことをお勧めします。

また甘みを果物など自然な甘みで代替するのもおすすめです。果物にも糖分は含まれていますが、食物繊維やビタミンも一緒に摂れるため、砂糖だけを摂るよりはずっと体に優しいと思います。

4. 保存料を避ける

どんな影響があるか

保存料は、食べ物が腐らないようにするために加えられる添加物です。便利なものですが、体にとって、長期的には好ましくありません。

特に、腸内環境を傷つけることが問題です。食べ物は普通、放っておくと腐ったり発酵したりしますね。それは、細菌が繁殖するからです。保存料は、そうした細菌が繁殖しないようにする物質です。

ということは、保存料が腸に届くと、腸の中の細菌、つまり腸内細菌も死滅させてしまう可能性が大きいです。

腸内細菌の重要性

腸内細菌は、私たちの健康にとってとても大切な存在です。食べたものを分解して、さまざまな栄養素を作り出してくれます。ビタミンを合成してくれたり、免疫機能を支えてくれたりと、本当にたくさんの働きをしています。

「便秘は万病の元」とよく言われますが、腸内環境が悪くなると、便秘だけでなく、肌荒れ、アレルギー、気分の落ち込みなど、全身のさまざまな不調につながることが分かってきています。

対策

保存料を避けるためには、加工食品をなるべく減らし、素材から調理することが一番です。

保存料不使用と表示された食品を選ぶのも良いでしょう。最近では、無添加の食品も増えてきました。賞味期限は短くなりますが、その分新鮮で体に優しいといえます。

また、発酵食品を積極的に摂ることで、腸内環境を整えることができます。味噌、納豆、ぬか漬けなど、日本の伝統的な発酵食品は、腸内細菌を元気にしてくれる心強い味方です。

5. 悪い油(オメガ-6過多)を避ける

油の種類

油には、いくつかの種類があります。大きく分けると、オメガ-3、オメガ-6、オメガ-9、そして動物性油です。

  • オメガ-3:鎮静作用、還元作用がある。サンマ、サバなど青魚の脂肪や亜麻仁油など。
  • オメガ-6:炎症作用、興奮作用がある。サラダ油、大豆油、コーン油など。
  • オメガ-9:比較的中立的な作用。オリーブオイルなど。
  • 動物性油:バター、ラードなど。安定していて酸化しにくく、体にとって扱いやすい油。

なぜ問題なのか

本来、オメガ-3(鎮静)とオメガ-6(興奮)は、拮抗して同じくらいの作用を持つべきだといわれています。バランスが取れていることで、体は正常に機能します。

しかし、現代の食生活では、オメガ-6が多すぎるのです。

便利性の面から、液体の植物油が料理に使われることが多くなりました。外食や加工食品では、ほとんどの場合、サラダ油、大豆油やコーン油などのオメガ-6の油が使われています。そのため、知らず知らずのうちに、オメガ-6を大量に摂取してしまっているのです。

オメガ-6は酸化しやすく、炎症や興奮を招きます。摂りすぎると、自律神経の興奮を招き、イライラしやすくなったり、炎症が起こりやすくなったりする可能性があります。

世間に出回っている誤解

「動物性油=不健康」「植物油=ヘルシー」という誤解が、世の中に広まっています。

しかし実は、動物性油の方が健康には良いと思われます。動物性油は固体なので不便だったり、高価であったりします。また、動物の脂肪が病気の原因になるという誤解が広まっています。

誤解されている理由は、やはり美的な感覚でしょう。 脂肪は女性にとって忌み嫌われるものなので、動物性脂肪=悪、になってしまうのでしょう。

ですが、バターやラードなどの動物性油は、安定していて酸化しにくく、体にとって使いやすい油だといえます。植物油だからヘルシー、という思い込みは一度見直してみる価値があるかもしれません。

対策

まずは、オメガ-3を意識的に摂ることが大切です。魚を食べる、亜麻仁油やえごま油を使う、など工夫してみましょう。

同時に、オメガ-6の摂取を減らすことも重要です。外食や加工食品を減らし、家で調理する際も、オリーブオイルやバターを使うなど油の種類を見直してみてください。


まとめ:健康への第一歩は「引き算」から

  1. 「体に悪いものを除く」ことから始めることで、コストをかけずに健康の土台を整えられる
  • 高額なサプリメントを買う前に、まず今の生活から悪いものを引き算することが大切です。お金がかからず、むしろ節約にもなります。
  1. 除くべきものは明確:女性ホルモン撹乱物質、残留農薬、砂糖、保存料、悪い油(オメガ-6過多)
  • 「体にいいもの」に関する情報は錯綜していますが、「体に悪いもの」は比較的はっきりしています。迷わず実践できるのが大きなメリットです。
  1. 代替品を使えば、無理なく続けられる
  • 乳製品の代わりに発酵大豆製品、石油精製洗剤の代わりに天然石けん、サラダ油の代わりにオリーブオイルやバターなど、無理のない置き換えが可能です。日常生活の中で少しずつ変えていくだけで、体への負担を減らせます。
  1. 体が本来の機能を取り戻すことで、効果を実感しやすい
  • 「なんとなく調子が良くなった」「肌の調子が良くなった」「朝の目覚めがすっきりした」といった変化は、比較的早く実感できることが多いです。変化が分かりやすいと、モチベーションも続きやすくなりますね。

健康になるための情報は溢れていますが、まずは「足す」よりも「引く」ことから始めてみませんか? シンプルで確実な方法で、体が本来の力を取り戻していくのを実感していただければ幸いです。

もし「原因不明の不調が続いている」「何をしてもなかなか改善しない」といった方は、東洋医学の視点から体全体を診る鍼灸院や漢方を扱う薬局・クリニックで相談してみるのもおすすめです。