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甲状腺の病気(橋本病・バセドウ病)の鍼灸治療|同じ甲状腺でも体は正反対

2026 7/22
自律神経、甲状腺の治療
2026年7月22日

「甲状腺の病気」とひとくくりに呼ばれますが、バセドウ病と橋本病では、体の中で起きていることは正反対です。

実際に患者さんの体に触れると、その違いははっきり分かります。バセドウ病の方は皮膚に熱がこもり、橋本病の方は皮膚に力がない。同じ「甲状腺」でも、まったく別の体なのです。

ですからこの記事は、病名の解説ではなく「あなたの体でいま何が起きているか」からお話しします。どちらのタイプにも、東洋医学の診方と道筋があります。

この記事の要点

  • バセドウ病(働きが高まる)と橋本病(働きが弱る)は、同じ甲状腺の病気でも体は正反対。触ると「皮膚の熱」と「皮膚の力のなさ」として正反対にあらわれます
  • 当院(札幌駅徒歩2分・東洋医学専門の徳田漢方はり院)では、病名でまとめず「一番つらい症状」からあなたの体を診ます
  • 薬で数値が安定しても残るだるさ・冷え・むくみには、胃腸と睡眠から体を立て直す道筋があります
目次

橋本病とバセドウ病——甲状腺の病気の2つのタイプ

甲状腺は、のどぼとけの下にある小さな臓器で、体を動かすホルモンを作っています。バセドウ病とは、この甲状腺の働きが高まりすぎる病気です。橋本病とは、甲状腺の働きが弱ってしまう病気(甲状腺機能低下症の代表的なもの)です。

西洋医学のお話はここまで。ここからは、私が鍼灸師として診ている「体」のお話をします。

東洋医学の見立て——触ると分かる、正反対の体

バセドウ病の見立てと鍼灸——皮膚に熱がこもっている

バセドウ病の方の体に触れると、皮膚に熱があります。私はこれを、体が興奮しつづけて体力を消耗しているしるしだと考えています。じっと休むことができず、どんどん動けてしまう——そんな印象の方が多くいらっしゃいます。

治療は、この興奮を鎮める方向です(瀉法・しゃほう=余分な熱や興奮を抑える鍼)。体力がある程度残っている方の興奮を収めるのは、東洋医学の割と得意なところです。鍼灸の良いところは、その場で確かめられること。施術のあと、脈やお腹、皮膚にもう一度触れて、あの熱が引いていれば「これは早いですよ」とお伝えできます。

一方で、消耗が進みきってからだと時間がかかります。「動けてしまう」時期にこそ、早めに体を休ませてあげてください。

橋本病の見立てと鍼灸——皮膚に力がない

橋本病の方は正反対です。体のエネルギーが足りない「虚証」(きょしょう=体力や栄養が不足して、体の働きが弱っているタイプ)のしるしが、皮膚にもあらわれます。

私がよく診るのは、次の2つです。どちらも橋本病だけの特徴ではなく、虚証の方全般に見られるものですが——

1つめは、皮膚がつまめてしまうこと。これは栄養失調のしるしです。栄養が足りていれば、皮膚の下の脂肪がいっしょについてくるので、皮膚だけを薄くつまむことはできません。栄養が足りない方は皮だけがつまめて、シワが寄ります。皮膚に力がない状態です。

2つめは、それとはまた別の虚証で、垢(あか)の落ちが悪いこと。体は内側から外側へ新陳代謝をしていて、いらなくなったものは垢として外へ出ていきます。この勢いが弱いと、垢が皮膚の上に残って細かいブツブツとして目立ちます。新陳代謝が活発になるはずの春や夏に目立つのが特徴です。

熱がこもって消耗している体と、作る力そのものが弱っている体。同じ「甲状腺の病気」でも、治療がまったく別のものになることが、お分かりいただけるかと思います。

「一番つらい症状は何ですか?」から始めます

実は、「甲状腺だけ」で来院される方はあまり多くありません。自律神経の乱れやめまい、のぼせなど、いくつもの不調があって「甲状腺も悪いんです」とおっしゃる方がほとんどです。

橋本病の症状も、あえて挙げれば冷え・むくみ・疲れですが、実際は人によって様々で、「これ」という決まった形がありません。

ですから私は、病名から入らず「一番つらい症状は何ですか?」からお聞きします。甲状腺のような幅の広い病名でひとまとめにするより、いまあなたの体に起きていることから診ていくほうが、治療の道筋がはっきりするからです。

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橋本病で数値は正常なのに調子が悪い——「甲状腺は最後の砦」という見方

「薬でホルモンの数値は落ち着いたのに、だるさや冷えが全然良くならない」——そんな不安で来院される方がいらっしゃいます。数値を整える治療はとても大切です。そのうえで、なぜ不調が残るのか。私はこんなふうにお話しすることがあります。あくまで、私の臨床実感からのたとえ話として聞いてください。

甲状腺は、体の中の「何でも屋」です。役割の決まったほかのホルモンと違って、足りないところがあれば最後に駆けつけて補ってくれる——いわば最後の砦だと私は感じています。

その最後の砦が疲れてしまったということは、そこにたどり着くまでに、胃の不調、栄養不足、過労、ストレス、甘いものの取りすぎ……と、長い時間をかけて体のあちこちに負担が積み重なってきた、ということです。

だから、甲状腺の数値だけが戻っても、それ以外の「足りないところ」はまだそのまま。いろいろな症状が残るのは、不思議なことではないのです。

そして、その「足りないところ」を立て直すのが、鍼灸の出番だと私は考えています。

橋本病の鍼灸治療は「体の立て直し」——食事と睡眠という基本から

長く不調が続いている橋本病の方の体は、虚証を極めたような状態です。ですから当院の治療は、まず胃腸を立て直し、気血(きけつ=体を動かすエネルギーと栄養)を作れる体に戻していくこと(補法=足りないものを補う鍼)が中心になります。眠れていない方は、睡眠の治療も並行します。

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私の役割は、車でいえば「整備」までです。エンジンやタイヤは整えられますが、いいガソリンを入れるのは患者さんの役割——タンパク質をしっかり食べることです。

「お肉を食べると気持ち悪くなるんです」という方も多くいらっしゃいます。実は、胃酸や消化酵素がしっかり出ないのは、その材料であるタンパク質が足りないから。食べられないから作れず、作れないから食べられない——この悪循環が、体を少しずつ弱らせていきます。逆に言えば、悪循環さえほどければ、体は自分から不調を取り戻そうとしてくれます。

だから当院では、「お肉が食べられる体になること」をひとつの目標にしています。

どのくらいで良くなりますか?

正直にお話しします。不眠や吐き気、頭痛のようなはっきりした症状がある方は、それが半分になったり、すっと取れたりするので、変化を実感しやすいです。

一方、「なんとなくだるい」「疲れが抜けない」だけの方は、変化を感じにくいまま時間がかかります。当院の鍼は刺激の少ないやさしい治療なので、なおさらかもしれません。それでも、食事と睡眠という一番の基本からコツコツ立て直していく道筋は、はっきりしています。焦らず、一緒に進めていきましょう。

よくある質問

Q. 甲状腺の薬を飲んでいますが、鍼灸を受けられますか?

受けられます。薬は続けながら治療を進めてください。当院から服薬の中止をおすすめすることはありません。数値の管理は主治医のもとで続けながら、鍼灸は体の立て直しを担当する——そういう役割分担で考えています。

Q. 数値は正常と言われたのに、だるさや冷えが続きます。診てもらえますか?

はい。そうした「検査では異常がないのに残る不調」は、当院が力を入れている分野です。一番つらい症状からお聞きし、皮膚や脈などの触診で体の状態を確かめて、治療を組み立てます。

Q. どのくらいの期間・回数がかかりますか?

体によって違うので一概には言えませんが、初回に体を診れば、体力があるか・ないかは分かります。体力があれば短く、落ちていれば長くかかる——そこまでは初回にお伝えできます。

まとめ——病名ではなく、あなたの体を診ます

  • バセドウ病と橋本病は、同じ甲状腺の病気でも体は正反対(熱がこもる/作る力が弱る)
  • だから当院は病名でまとめず、「一番つらい症状」からあなたの体を診ます
  • 数値が安定しても残る不調は、長年の負担の積み重ね。胃腸と睡眠から立て直します

「自分はどちらのタイプだろう」「この不調も甲状腺と関係ある?」——そんな疑問の段階でも構いません。LINEでのご相談は24時間受け付けています。迷ったら、いまの状態をそのまま送ってください。

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自律神経、甲状腺の治療
女性に多い 更年期 甲状腺 疲れ

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