• 長時間歩くと痛みが出る
  • 膝をかばって腰も痛い
  • スポーツをすると膝が不安だ
  • 手術するしかない病院で言われた

など、膝痛の悩みは多くの人がお持ちだと思います

​膝の痛みが慢性になるのはなぜでしょう?

膝の痛みの原因と治療を
東洋医学で考えてみました

膝痛の原因

一般的な解剖学的説明

現代医学で言う変形性膝関節症の痛みは
関節の内側の膜の炎症です

擦り減った軟骨の一部が滑膜にぶつかって
滑膜で炎症反応が起きます

膝が腫れて熱を持ちますので
膝痛を感じるようになってきます

東洋医学での治療

東洋医学の経絡理論では
経絡のとどこおりが痛みを生むと考えます

膝の内側は脾臓の経絡が走っています

脾臓を助ける治療をすると
その経絡も流れるようになります

とどこおりが取れると筋肉の弾力がもどって
痛みもやわらぎます

膝痛が慢性化するのは悪循環をおこしやすいから

膝痛があると、膝を使った運動をがつらくなります
膝の筋肉を使わないので筋力が低下してきます

少ない筋肉を無理に使うので
引っ張られて固くなり、さらに膝痛が悪化します

この悪循環があるので
膝の痛みは慢性化しやすく治りにくい
のです

ではどうすればよいのでしょうか?

運動で筋力を鍛える?
痛いのでむつかしいですね

筋肉を柔らかくすればよいのです

東洋医学で筋肉をやわらかくするには

東洋医学では栄養がたくさんあると
筋肉の弾力が回復
するとされています

栄養を改善するには

  1. 食べ物の消化吸収
  2. 食べるものの改善
  3. 栄養の通り道である経絡の改善

などが重要です

東洋医学での膝治療

膝を担当する東洋医学の臓腑ですが

  1. 膝の内側とお皿周辺は脾臓
  2. 膝のうらは腎臓
  3. 膝の動きの調節は肝臓

東洋医学の分類ではこう考えます

それぞれの治療法ですが

脾臓の治療

脾臓は飲食と関係が深いです

鍼灸治療で飲食物の消化不良をとる
脾臓を助ける治療になります

ふだんの生活で
甘いものや炭水化物を少なくすることも重要です

腎臓の治療

腎臓には精気が貯蔵されています

精気とは貯金のようなものです

ふだん使う気血水の余った部分が
腎臓に貯金して先天の精になります

ここでも飲食物の吸収を助け
ふだん使うぶんの気血水を充実させるのが重要です

肝臓の治療

肝臓は腱や靭帯を担当しています

腱や靭帯が原因の膝痛は
鍼灸治療で肝臓の興奮を取ります

筋肉や腱のつっぱりが
すこしずつ取れて
いきます

気血の治療

運動をしたり動かして痛む時と
じっとしていても痛い場合は治療法が違います

  1. 動かしていたいときは氣の病
  2. じっとしていても病むときは血の病

氣の治療と血の治療は全く逆です

診断を間違えないようにしなければなりません

膝を治療するときの注意点

あまり効果がないばかりか
かえって悪くする治療法もあります

サポーターを使うと治りが遅くなってしまう

膝にサポータをなさっている方は多いですが
サポーターは血流が悪くなるため
やめておいたほうが良いです

基本的には動かしたほうが良いことが多いです

膝痛には動きを制限して良くなるのは急性のケガの場合です

ケガではない慢性病では
動きを制限すると血流も悪くなり
自然治癒がおそくなります

外出時はサポーターをされても
自宅では、はずされるのをおすすめします

ヒアルロン酸を飲むのは科学的に言って無駄

飲むヒアルロン酸は詐欺みたいなものです

髪の毛を食べたらハゲが治るというのと
科学的には同じ言い方です

ヒアルロン酸を飲んでも
人間の体はアミノ酸として吸収します

お肉を食べてもアミノ酸として吸収します

ヒアルロン酸を飲んでもヒアルロン酸としては吸収しません

膝が痛いときに自分で治療する方法

膝が痛いときにご自身でする治療法ですが

腫れているときと
腫れていないときの治療法はちがいます

膝がはれているとき

膝がはれているときは
はれているところとはれていないところの境い目に
お灸
をされると良いと思います

コツは腫れているところに直接お灸せず
さかいめになさることです

腫れていないところから
腫れているところを助けるイメージです

お灸はカマヤミニをおすすめします

膝がはれていないとき

腫れていないときはお灸が効きにくいでしょう

お灸は炎症を取るものです
腫れていないときは炎症が主な原因ではありません

むくみや筋肉が固くなっているのが主な原因ですから
それを取り除くことが必要です

運動や食生活の改善
血流や栄養状態がよくなれば
むくみや硬さは少しずつ取れると思います

そこにはり治療を加えていただければよいと思います

徳田漢方はり院        徳田和則

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